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第4回研修レポート(1999年8月27日〜9月3日)
1999年の8月27日から9月3日にかけて、日本フィンランドむし歯予防研究会とトゥルク大学IIPD(国際予防歯科研究所)の共同企画によるフィンランドへの第4回予防歯科研修ツアーが行われました。
その内容は、マキネン博士をはじめフィンランド歯科界の第一線で活躍する研究者の講義、そしてフィンランド各地の小学校や保健センターを視察するという内容です。キシリトールを中心に、学術と実地の両面からフィンランドの予防歯科を学ぶことができました。


キシリトールのおもな原産国であるフィンランドは、予防歯科の先進国としても知られている。1972年から国をあげてう蝕予防に取り組みはじめ、1975年に6.9あった12歳児のDMFTを、1991年には1.2まで下げてしまった。
う蝕についての科学的な研究や調査をもとに、正しい食習慣、フッ素、歯みがき、定期検診を中心とする予防活動を広げていったのである。さらに1980年代になってキシリトールが加わり、予防の成果は一層高まった。このキシリトール研究で一躍有名となったのが、ユリビエスカという小さな町だ。フィンランドのなかでもとくにう蝕予防がすすんでいる地域である。フィンランド北部にあるユリビエスカは人口1万3千人。われわれ一行は保健センターを訪ね、この町の予防活動についてスタッフからお話を聞いた。「この保健センターには医師が20人、歯科医師が13人におり、2万3千人くらいの地域をカバーしています。18歳までは診療(予防主体の口腔管理)が無料で、19歳以上の診療費も一般開業医よりもずっと安く受けられます」。フィンランドでは各地域ごとに、保健センターが中心となって住民の健康をまもっている。ユリビエスカの名を高めたキシリトール研究は、1982年からこの地域の小学生を対象に行われた。じつは当時、ユリビエスカの小学校ではフッ化物の使用も含め口腔衛生指導はかなり充実しており、これ以上の成果はのぞめないだろうといわれていた。
ところが研究開始から2年後、う蝕発症の抑制に有効なデータが次々と得られ、キシリトールを使うことで、これまで以上に予防の効果が上がることがわかったのである。この研究がきっかけとなり、フィンランド歯科医師会はキシリトールの効果を認めることになった。
ユリビエスカでキシリトール研究の対象となった小学校を訪ね、口腔衛生指導の授業を見ることができた。授業は1年生から行われ、歯科衛生士などが年に3、4回学校を訪れ指導にあたる。
授業は、歯のみがき方、フッ素、キシリトールなど毎回ちがうテーマが選ばれ、今回見学した4年生の教室ではキシリトールの授業が行われていた。最初にビデオを10分ほど観てから、それをもとに授業はすすめられる。う蝕予防の方法をたずねられると生徒たちは一斉に手をあげ、「歯磨き」「フッ素」そして「キシリトール」など、次々と答えが飛び出してくる。こうして子供のうちから、う蝕をつくらないという意識が自然と身につくように学習していくのだ。授業が終わりに近づくと、フッ素入り歯磨剤で歯をみがき、1人ひとりチェックを受けるとキシリトールガムが手渡された。日本からの視察団に緊張気味だった生徒たちに、かわいい笑顔がもどった。
フィンランドの予防活動はもともと子供に力を入れており、乳幼児の段階からう蝕のリスクを調べて、その子供に合った予防方法を指導している。さらに、妊婦への母子感染予防の教育にも熱心だ。学校での予防教育、保健センターでの指導やチェックアップ、ホームケア、フッ化物やキシリトール入りの製品など、フィンランドでは予防のための教育、方法、製品がつながり、一つの輪のように調和がとれている。 ユリビエスカで「3歳児にう蝕のある子がいない」という結果も、こういった予防歯科が完全に根づいている環境が生み出したのだ。「う蝕予防は完全な円をつくるようなもの。一つ欠けてもきれいな円はできないのです」。マキネン博士が研修中の講義でおっしゃった言葉に、この国の予防に対する姿勢と哲学が見えた。
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